60代の肌細胞を30代に若返らせることに成功!! ips細胞の初期化でたどり着いた「神の領域」とは?
人が自分の体に「老い」を感じ、アンチエイジングを気にする最初のきっかけとは何でしょうか?
こう質問すると多くの方は「お肌の老化トラブル」と答える事でしょう。
肌の老化はなんといっても、見た目年齢を確実に上に見せてしまいますし、言い換えればシミやシワのない艶やかな肌は、見た目年齢を確実に若々しく見せてくれるものと言えるでしょう。
私たちが日々コスメや食生活を通じてスキンケアにいそしんでいるのにも、今あるお肌の状態を持続させるという目的の他に
「今よりももっと若々しいお肌になりたい、いいえ若いお肌に戻りたい!」
という願いが必ず秘められているはずです。
実はそんな「肌細胞の若返り」をips細胞によって可能にし、実際に60代の細胞を30代にタイムスリップさせたという嬉しい研究結果がコスメメーカー・コーセーの研究チームより発表され、アンチエイジャーの間で話題になっています。
肌細胞の初期化=老化のリセットに成功!
ips細胞とは簡単に言うと、細胞を遺伝子操作することでどの臓器や体のパーツにもなる事が出来るようにした細胞(多能性幹細胞)の事です。
多能性幹細胞となって培養された細胞たちは、もともとの細胞が持っている情報(肌細胞なら肌になる、腸の細胞なら腸になる)が初期化されており、例えば足の皮膚から作り出したips細胞であったとしても、内臓の細胞として新たに分化・増殖していくことが可能になるのです。
しかも細胞の初期化を行うことで、それまで細胞が受けていたダメージも一緒に初期化されることが今回明らかとなったのです。
コーセーが行った実験では、30年間に渡って同じ男性から採取した肌細胞を、年代ごとにips細胞に変化させ、それぞれの肌細胞の老化ダメージがどれくらい初期化されるかを調べました。
するとすべての年代の細胞も、細胞の若さをつかさどるテロメアの長さが回復し、老化ダメージの大きかった60代の時の細胞でさえも、30代の時の細胞と同じレベルにまで若返っていたことが分かりました。
さらに、ips細胞化した実験細胞を、再び肌細胞として増殖させることにも成功し、生まれ変わった肌細胞からはもちろん老化の痕跡がリセットされていたのです。
今までは不可能とされていた、細胞レベルで刻まれた老化の巻き戻しの成功。
人間がいつの時代でもずっと願っていた「若さを取り戻したい」という祈りは、ついに神の領域がすぐそこまでというところまで辿りついてしまったのです。
まだまだ実用化は先の話だけれど…
今回コーセーが発表した「細胞の若返り結果」ですが、本当に生身のお肌で実用化させるのには、まだまだ時間もコストも膨大にかかりそうとの見解も同時に発表されています。
しかしそれほど遠くない将来に、美容院やエステに行く感覚で「ちょっと10歳若返りたい」なんて願いがかなう時代が来ることは、間違いなさそうです。